離婚調停が成立したらやっておくべき手続きについて解説

離婚成立離婚調停が成立し、「これでやっと解放された」とホッと胸をなでおろすと、これまでの緊張がほぐれてドッと疲れが出てきそうになります。でも、最後の最後まで、決して気は抜かないように! 調停成立後に必ずやっておくべき、3つの後始末についてお話ししましょう。

調停調書をしっかりと確認する

調停室での調書チェック、念には念を入れて

離婚調停が成立すると、裁判官が書記官の立会いのもと、調停室でその合意内容を読み上げます。その後、この合意内容を夫婦二人で確認するのですが、これは非常に重要な作業です。なぜなら、離婚の調停が無事に成立しても、調停調書にその内容が正確に記されなければ意味がないからです

裁判官といえども、人間のすること。絶対に間違いがないとは言い切れません。ここは目を皿のようにして一字一句、しっかりと確認する必要があるでしょう。記入漏れや、細かい字の誤りにも、注意する必要があります。そして、万が一誤りを見つけたら遠慮せず、きちんと伝えることが大切です。

送付された調停調書を再確認。訂正も可能です

さらに、数日後に送られてきた離婚の調停調書にも、いま一度目を通す必要があります。基本的に調停調書は、一度作成されてしまうと変更できませんが、内容によっては直後であれば訂正に応じてくれる場合もあります。後々のトラブルを防ぐためにも、必ず念入りにチェックをするようにしましょう。

難関な離婚調停後の離婚届、10日以内に提出

離婚調停は、離婚届を出してはじめて完了する

今まで経験したことのない離婚調停という人生の難関を突破してきただけに、離婚届の提出という作業はあまりにも簡単で、返って軽く見てしまう危険性があります。特に年末やゴールデンウィークなどの直前に調停が成立すると、役所自体も休みに入ってしまうため、うっかり忘れる確率が高まります。

また離婚の調停が終わった後は、今まで張り詰めていた気持ちがふっと楽になることで、体調を崩してしまう人もいるでしょう。そうなると、離婚届のことはどこへやら。気が付いたら「すっかり忘れていた!」なんて事態が、起こらないとはいえません。

離婚届けは、離婚調停成立の日から10日以内に、必ず提出する必要があります。もちろん、期限を過ぎてしまったからといって、判決が覆るわけではありません。でも、状況次第では「過料」という形で、金銭的な制裁を受けてしまうこともあるのです。そのことを念頭に入れて、“離婚調停が成立したら次の日には役所に行く”ぐらいの気持ちで、迅速に手続きをすませるようにしましょう。

離婚届の提出には「調停調書謄本(調停調書省略謄本)」が必要

離婚調停の場合、離婚届自体は協議離婚と同じものを使いますが、協議離婚のように夫婦二人と証人二人の証明捺印は必要ありません。ただし、その代わりに「調停調書謄本」が必要になります。実際には調停調書謄本ではなく、離婚届に必要な内容(離婚の成立と親権)のみを記した「調停調書省略謄本」という形で発行されるのが一般的です。これは、調書の内容の中に財産分与や慰謝料のことなども書かれているため、第三者に見られないようにという配慮からくるものです。

この謄本は裁判所で発行するので、調停成立日に担当書記官から受け取るのが一番スムーズな方法ですが、実際には調停成立の当日に発行されないケースも多いので注意しましょう。調停調書謄本の申請書は、裁判所のホームページからダウンロードすることも可能です。

また、本籍地以外で届出をする場合には、戸籍謄本も必要です。離婚届の提出期限は10日以内。調停成立後にあらためて裁判所に出向き、手続きをすることを考えると、余裕をもって準備をしておいた方が賢明です。

ほかにもいくつかの書類が必要です

離婚届を出す際には、「調停調書謄本(調停調書省略謄本)」があれば大丈夫ですが、いずれは下記のような書類も必要になってきます。必ず取る必要がある書類なので、一緒に取得しておいたほうが良いでしょう。

【強制執行の際に必要となる「調停調書正本」】

たとえ調停が成立して調停調書が書かれても、離婚後に相手が合意内容を守るとは限りません。実際に守られていないケースも、数多くあります。その場合には、強制執行手続きをする可能性もあり、このときに必要となってくるのが「調停調書正本」です。これは強制執行をするかどうかに関わらず、取得しておくことが賢明です。

【年金の内容のみを記した「調停調書省略謄本」】

先ほど、離婚届の提出時に「調停調書省略謄本」が必要と書きましたが、その際に発行されるのは離婚の内容のみを記したもの。それとはまた別で、年金に関わる内容のみを記した「調停調書省略謄本」というものも必要です。

これは、年金分割の手続きをする際に必要となってくるものです。離婚調停の調書に年金分割に関する条項が記されている場合には、この書類を年金事務所や共済組合に持参して、手続きをすることになります。たとえ調停で年金分割のことが決定しても、この手続きを踏まないと、効力は発生しません。十分に注意しましょう!

年金分割の手続きの期限は、離婚成立から2年以内に行わなければなりません。これは離婚届の提出日ではなく、離婚調停の成立日から換算されます。スパンが長いので、忘れやすいということもあり、なるべく早めに手続きを済ませた方がよいでしょう。

また、これは非常に稀なケースですが、離婚後に相手が死亡してしまうと、死亡から1ヶ月以内が年金分割の期限となります。死亡したことを知らなかったとしても、それは認められません。このようなリスクを考えると、やはり何をおいても年金分割手続きは、すぐに済ませておくことが賢明といえそうです。

離婚手続きの必要に応じて、氏を称する届出を出す

旧姓に戻らない場合は、「離婚の際に称していた氏を称する届出」を提出

離婚後に旧姓へと戻る人もいれば、戻らない人もいます。昔は離婚をすると旧姓に戻るのが普通でしたが、今は仕事のことや子どもの学校のことを考えて、離婚後もそのままの姓を名乗るケースが増えてきました。そのほうが名義変更などの煩雑さがなく、知り合いに「苗字が変わったの?」と聞かれる煩わしさもないでしょう。ただし、家と家との関係を重んじて「離婚をしたら実家の人間になる」という考え方がある人は、やはり面倒でも旧姓に戻ることが多いようです。

旧姓に戻る人にとって唯一の手続き上の利点は、氏を称する届出を出す必要がないことです。離婚後に婚姻中の氏をそのまま名乗るには、「離婚の際に称していた氏を称する届出」という書類を提出しなければなりません。

氏を称する届出は、離婚届と一緒に出すのがベスト

この書類を忘れないで提出する一番のタイミングは、離婚届の提出時です。氏名や住所・本籍・離婚年月日などを記して捺印のうえ提出するだけの簡単な手続きなので、できれば離婚届と同時に提出することをお勧めします。用紙は、市区町村役場のホームページからダウンロードすることもできます。離婚後にこの書類を届ける場合は、若干やり方が異なってきますので、注意しましょう。

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